瑞樹(2)
河川敷を歩いている。いつもは自転車の方が多いけど、今日は何となく歩いている。
朝から雨がちだったから気温もそんなに高くない。ただ、随分と草の匂いがする。
宣告の前から、時々こんな風に、仕事帰りとか休みの日に散歩をしていた。
運動というのもあったけど、本当はやることがなかっただけ。
前と違うのは、ランニングする人にあまり会わなくなったことくらい。
さすがにもう頑張って健康を維持しても仕方ないからなぁ。。
ああでも日課だったら「代理人」が代わりに走るのかな。だとすると気のせいかな。
雲間に夕焼けが見える。この時間はいつも何か寂しい。
世界の終りが近づいているということが、余計そんな風に感じさせる。
少し、焦燥感。
でも、それ以上に、ただただ寂しい。